9.8. 非同期タスクのスケジューリング、anacron
anacron
はデーモンで、常に起動されていないコンピュータの cron
を完成させるものです。定期的なタスクは通常真夜中に予定されているため、その時間にコンピュータの電源が切れていればタスクは決して実行されません。anacron
の目的は、コンピュータの電源が切れている期間を考慮して、その期間中に予定されていたタスクを実行することです。
anacron
は通常そのようなタスクをマシンの起動数分後に実行します。このことにより、コンピュータの反応が遅くなります。このため、/etc/anacrontab
ファイルに載せられたタスクは nice
コマンドと一緒に開始されます。こうすることで、タスクの優先度を低くして実行できるので、システムの残りの部分に対する影響を減らすことが可能です。/etc/anacrontab
ファイルの書式は /etc/crontab
と異なる点に注意してください。さらに anacron
を使う特別な理由がある場合、anacrontab(5) マニュアルページをご覧ください。
anacron パッケージをインストールすることにより、cron
は /etc/cron.hourly/
、/etc/cron.daily/
、/etc/cron.weekly/
、/etc/cron.monthly/
ディレクトリに含まれるスクリプトを実行しなくなります。これは anacron
と cron
がスクリプトを二重に実行することを避けるためです。cron
コマンドはまだ有効で、他のスケジュールされたタスク (特にユーザがスケジュールしたタスク) を取り扱うことが可能です。